目次
市販のレンズフィルターが使えるようになります!!
このレンズフィルターブラケットver2.0を使えばね。
こんにちは。娘たちにすまない父(@sorrydaughters)です。
みなさんはSONYのアクションカム"HDR-AS300" や"FDR-X3000"シリーズをご存知ですか。
部品供給の困難を理由に惜しまれつつも生産終了となった2機種ですが、手ブレ補正の強力さや、コンパクトな機体で、GoProに匹敵する根強い人気を誇る国産アクションカムの名機です。
私は2016年の発売以来、HDR-AS300を愛用し続けています。
子供と遊びにでかけたときや、バイクでの走行風景などを撮影する際にも使っており、日常で気軽に幅広く使えるこの機種が大好きです。
4K撮影ができるFDR-X3000が発売された時はさすがにグラグラきましたが、画質や使用感に大きな不満もなかったため、なんとか物欲を抑えられました。
ただ強いて不満をあげるとすれば、競合であるGoProが純正で使用できるレンズフィルターを、HDR-AS300などのSONY製のアクションカムでは純正機能としては考慮されていないことです。
レンズフィルターの効能はここでは割愛させていただきますが、せっかくの効果をHDR-AS300でも楽しめるようにすべく奮闘(?)してきました。
なんとか販売にまでこぎつけ、今回ver1.0を購入いただいた方からのご意見を参考に、ver2.0へとバージョンアップをすることが出来ました。
下記は私のYouTubeチャンネルにアップしている今回のver2.0の紹介動画へのリンクとなります。
本記事は紹介動画のタイムラインに沿った、動画では細かくお伝えできなかった補足のフォローアップ記事です。
タイムラインの分数クリックで動画のその箇所へ直接飛ぶことが出来ます。
記事とあわせて、気になる箇所だけでもご視聴いただけるとこの部品の素晴らしさが伝わると思います。
そして、ぜひこのレンズフィルターブラケットご購入いただけるとうれしいです!
レンズフィルターブラケットver2.0はこんな方におすすめです
- SONY HDR-AS300やFDR-X3000で市販のレンズフィルターが使いたい!
- むき出しレンズの保護目的でレンズキャップだけでも使いたい!
- バイクなどに取り付けたときのカメラの水平出しを手軽に行いたい!
YouTube動画のタイムライン紹介
00:00 ver1.0の紹介
レンズフィルターブラケットのコンセプト
まずはver1.0の紹介とあわせて、そもそもこの部品がどういったものかを説明しています。
もともとは車のフロントガラスに取り付けて車載動画を撮影したときに、ダッシュボードの映り込みがひどかっため、なんとかできないものか?というところからスタートしたプロジェクトです。
度重なる試作を行ってきました。MacBookのキーボード部分に歴代のボツとなった試作品が見て取れます。
この部品を作るに当たりコンセプトとして大事にしてきたのは
- ねじ込めること
- ケラレないこと
この2点です。
ねじ込めることでレンズフィルターの取り付けを確実に行い、不意の紛失を防ぎます。
以前ブラケット自体にはネジを切らず、フィルターをはさみ込むような設計をしておき、フィルターをねじ込むことでブラケットにネジを切るような仕様を試しました。
ただ、やはりねじ込みがあまく、フィルターを紛失したことがありました。こういった経緯から、なんとしても実装したかった機能となります。
AdobeのFusion360にあるネジ機能のおかげで、3Dプリントでも実用的なネジをモデリングすることができました。
一方ケラレはというと、簡単に言えば撮像の四隅にレンズフィルターが写り込んでしまい、まるで潜水艦の潜望鏡を覗いたかのような映像になってしまう現象です。
一般的に広角レンズと呼ばれる画角の広いレンズでレンズフィルターを使うときに気にしなければならない現象です。
HDR-AS300等で採用されている広角レンズの機能や構造上ケラレが発生しやすいと考えています。
せっかくの撮影データがこのようにケラレていてはなんとも残念です。なのでせっかくレンズフィルターが使えたとしても、この現象はなんとしても抑えたかったのです。
01:38 ver2.0 「49mm径」の紹介
SONY独自の「空間光学手ブレ補正」が優秀でケラレる
レンズやケラレの本質的な理解や仕組みは全くわかっていませんが、上図のように、画角内にレンズフィルターが入り込んでしまうとケラレが発生しているのではないか?という仮説のもと設計を行ってきました。
ver1.0でケラレ対策も万全のつもりでいたためテスト販売に踏み切ったのですが、今回購入いただいた方から「ケラレが発生している」とのご指摘をいただきました。
よくよく考えると、自分の使用用途はカメラをバイクや三脚に固定して使用している場合が多く、手ブレを気にするあまり激しく動かすような撮影をしていませんでした。
いわゆるアクションカメラに求められる激しい動きで撮影したときに発生しうるケラレの懸念というものに対して、対策というものがまったく出来ていなかったことに気づきます。
ver1.0を装着したHDR-AS300を少し強めに揺さぶると、アプリで外部モニターとして接続したiPhone上でも、はっきりとフィルターの写り込みを確認することができました。
これはおそらくSONYが採用している独自の手ブレ補正機能「空間光学手ブレ補正」に起因しており、この機構とカメラ本体との動きとの差分で、レンズ前面に取り付けたフィルターが残像として映像に写り込んでいたものだと推察しています
SONY公式:アクションカムブレ補正構造比較
みなさんなら、この強敵をどう対策しますか?(前提:上図のへっぽこ仮設として)
購入いただいた方から
- 37mmよりもレンズフィルターの市販ラインナップが豊富である
- レンズフィルター径が大きくなれば画角を超えることでケラレを解消できるのでは?
という理由から、37mm径ではなく49mm径で設計してみてはどうか?というアドバイスをいただきました。
たしかに37mm径のレンズフィルターはサイズ的に一般的ではないため、望む効果のフィルターが入手しにくいデメリットがあります。
一方49mm径は入手しやすく、一眼レフなどのカメラを持っている方であればすでに持っているか、もしくは流用が効くため資産価値としても無駄になりにくいメリットがあります。
そして、径が大きくなれば画角を超えることができるため(上図参考)ケラレの対策としても有効だと考えられました。
というわけで晴れて「49mm径」のラインナップの誕生となったわけです。
さきほどの質問ですが
・フィルターを大きくする
・フィルターを近づける
が私なりの対策案です。
他にもいい案があればコメント欄などで教えていただけると嬉しいです。
中空化によるコストの大きなメリットはなし
また動画内でさらっと解説していますが、今回のver2.0ではコスト削減の目的でブラケットのモデルデータを中空化したものを試作しています。
上の画像でざっくり説明していますが、3Dプリンターで積層していくときに指定した材質で下から積んでいくわけですが、中身を抜いた部分はサポート材と呼ばれる別素材となるため、硬化してない粉末状のサポート剤を排出できる穴が必要だと想定して、穴を設けました。
結果、肉厚1.5mmの中空プリントは成功しましたがコスト的に大きなメリットはなく、逆に薄肉化で強度が落ちても嫌だな、と今回の採用は見送りました。
中空部位が安価なサポート材に置き換わることでコストの削減ができたり、空間に置き換わることで重量も削減できるため、求める品質とバランスがとれれば、部品によっては効果的な処理の1つだと考えます。
04:02 ver2.0 「37mm径」の紹介
丸座の役割とは?
もともとver1.0では「37mm径」で設計していたため、新採用の「49mm径」で盛り込んだ細かな設計変更をすべて盛り込んだ「37mm径」としてラインナップに残しました。
正直「49mm径」さえあればレンズフィルターブラケットとしては不便することはないのですが、単純にそのコンパクトさからくるガジェット感のかわいさが気に入っています。
ただそのままではver2.0をかたる大きなインパクトに欠けるため、以前から自身の要望であった「バイクなどに取り付けた際の水平出しを手軽に行いたい」という対策案を盛り込みました。
いままでは外部モニターとして接続したiPhone上で目視で確認しながら水平出しを行っていました。が、これが割と手間です。
ただ、水平のとれた画像が見ていて気持ちがいいこともわかっているため、なんとか水平は出したいものです。
その鍵が画像の矢印が指し示す丸座です。この丸座に水準器を貼り付けます。〜φ11の水準器が貼り付け可能サイズです。
探せば500円程度で数個セットになったものも流通しているようなので、手持ちのブラケットで水準器を貼り付けたら、その画像もアップします。
レンズフィルターブラケット37mm径の水準器付きバージョン。#hdras300 #fdrx3000 #lensfilter pic.twitter.com/ZlSyivodpK
— 娘たちよすまぬ (@sorrydaughters) September 22, 2021
37mm径はそのコンパクトさから、とくにC-PLフィルターなどを使う目的がなくても、むき出しのレンズを保護する意味からプロテクトフィルターを装着したとしても「49mm径」ほどかさばることはありません。
さらにレンズキャップを取り付けておけばフィルター自体の保護もできるため、生産が中止となってしまったHDR-AS300やFDR-X3000をながく使っていく上でも、有効な保管方法だと考えます。
ver1.0のケラレは改善できたのか?
以上で、今回のver2.0の紹介動画の補足となります。装着感の向上はほぼ脱落の心配が不要なほど万全な対策ができました。
ただやはりケラレに関しては、実際にどうなの?と思われる方もいらっしゃると思います。
下記動画で今回のver2.0がどれだけケラレの対策ができたか検証をしています。こちらもあわせてご視聴いただければご安心いただけると思います。
06:33 製作裏話 -中国3Dプリントメーカーについて-
中国の格安3Dプリンターメーカー。ネジなどの精度が要求されるものでなければ十分実用的だ。圧倒的な低コストと、到着までのリードタイムは国内メーカーより早い。
今回の部品に関して、外観がイマイチであったこと、そしてやはりネジが再現されていなかったということがマイナス点でした。
送料を考えても破格のプリント代なので、精度が必要なかったり自分用であれば十分実用的です。海外メーカーだからと心配されるトラブルも特に有りませんでした。
また別の部品でお世話になってみようかと思っています。
【機材紹介】
SONY HDR-AS300やFDR-X3000シリーズは現在生産終了となっているため、今後入手が難しくなるか、価格の高騰が考えられます。本体自体にご興味がある方は下記リンクもご参考ください。
SONY HDR-AS300
国産アクションカムの名機。圧倒的にブレに強いオールマイティモデル。
製品紹介⇨https://www.sony.jp/actioncam/products/HDR-AS300
Amazonリンク⇨https://amzn.to/3kQbkiN
SONY FDR-X3000
国産アクションカムの名機。HDR-AS300の上位4K撮影可能モデル。
製品紹介⇨https://www.sony.jp/actioncam/products/FDR-X3000/
Amazonリンク⇨https://amzn.to/3ohZxw6
販売サイトの紹介
レンズフィルターブラケットver2.0をおすすめする理由いかがでしたか?
お手持ちのHDR-AS300やFDR-X3000シリーズをさらにクリエィティブな撮影機材へ変身させるアイテムです。主体的に撮影をしたい方にはぜひおすすめしたいアイテムです。
DMM.makeでの販売サイト
DMM.makeからの直送により最短でのお届けが可能です。
BASEでの販売サイト
品質の確認後、Dot.Jibunからの発送により少しお時間をいただく可能性があります。DMM.makeからの直送でも品質に問題はありませんが、不安な方のため念のため。DMM.makeより送料分価格が上がっています。
ラインナップは下図となります。
ご質問等ございましたら、コメント欄などにいただけると助かります。
またレンズフィルターブラケットの販売に関しては引き続きTwitterでも告知を行っています。こちらもあわせてフォローしていただけると嬉しいです。
国産アクションカムの名機SONY HDR-AS300およびFDR-X3000シリーズ、さいごまで楽しみ尽くしていきたいと思います。それではまた別の記事でお会いしましょう!!
3Dプリンター用のデータを作成します あなただけの部品はけっこう簡単に作れる!